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心のウエルネス

心のウエルネス

食生活(食事)、身体活動(運動)、精神生活(豊かな心の生活)がウエルネスに生きるための3大要素とされますが、精神生活、心の豊かさとウエルネスについて考えたいと思います。

心身一如であること

さて、私たちの心がウエルネス(健康)であるとはどんな状態でしょうか。心の健康と身体の健康には関連性があることはご存知だと思います。このことは、人前で緊張したり、あせって心臓がドキドキする、冷や汗がでるなど、そんな経験をされた方は多いと思います。心の状態が身体に影響を与えることは医学的にもわかっています。また、身体の状態が心に影響を与えることもまた当然のことであり、現代は、心身医学や心療内科、ストレス医学などの分野で心身相関の解明が大きな課題にもなっています。
東洋医学(中国医学)は健康を考えるときに心身のバランスを重視し「心身一如(しんしんいちにょ)」という言葉を使います。身体の治療であっても心の状態(精神状態)を大変重視しています。また、曹洞宗(禅宗)の開祖である道元(どうげん)という人は、「身心一如」という言葉で、身体と心が一体であるときに平常心が生まれること、座禅(ただひたすら座る;只管打坐しかんだざ)によって自己の平常心に出会うことをめざしたとされます。道元は、この心と身体の一体性を人間の根本の問題と考えていたわけです。

群衆のなかの孤独

社会と人間の関係性を研究する社会心理学という学問があり、D.リースマンという研究者がいます。リースマンは「群衆のなかの孤独」(みすず書房)という書で、現代人の孤独感、その心理やカタチを的確に著しました。書名にもあるように、『私たちが孤独を感じるのは、一人でいるときではなく、人の多い街角(群衆のなか)にいるときである』というのがエッセンスといっていいと思います。このことを現実に考えてみると、地方より都会は人が多いから孤独を感じることはない、孤独ではないとはいえないことは想像できそうです。むしろ、人が多いなかでこそ、私たちは孤独や寂しさを感じがちであることを見事に言い当てているのではないかと思うわけです。
自分の周囲に10人いるのと100人いるのとで、楽しさ、安らぎ、孤独、寂しさを感じる気持ちはどう違うでしょうか。10人が家族であったり、気心の知れた友人であったり、心の交流をもっている人。100人の90人は顔も知らない、何の共通項やつながりもなく、まるでモノのように存在している。10人は心の交流がある。こうしてみると、周りに10人いても100人いても、心に映る人は同じともいえそうです。
リースマンは現代社会に生きる人間の孤独感を「群衆のなかの孤独」というエポックな言葉で示し、現代人の孤独感が都会化現象による人間のつながりの希薄化にあることを見出したのです。現代化の象徴ともいえる都会化、人口集中の社会現象は、経済などさまざま恩恵をもたらしましたが、その一方、孤独感を助長する社会現象も生みだしました。そうした社会の変化、発展とその社会で生きる人間の苦悩、孤独感を、リースマンは人への深い洞察を通じ、問題提起したといえるでしょう。

ときに孤独を楽しむ

孤独を感じるというのは、人のつながりへの渇望なのかもしれません。私たちはいつも人と人の関係性のなかで生きています。ですから、それぞれの関係性で人を考えながら、同時にその関係性に疲れ、一人になりたいことがあります。そして、また人と人の間に帰っていきます。なんとわがままなのかと考えることもできます。
ところが、人と人の間で疲れて一人になって、長く人と人の間に帰ってこない人もいるわけです。どうしたのかと思うわけです。すっかり一人の世界で生きることに慣れ、生き心地がいいのでしょうか。また、何らかの理由で人と人の間に帰ることができない場合もあるのかもしれません。
私たちは人と人との間で生きながら、ときに孤独を楽しむ、これは一人でいることを楽しむという方がいいでしょう、そんな生き方が理想なのかもしれません。逃れていくのとちょっと違いそうです。

心の健康、身体の健康

さて、私たちが自分は心が健康だと感じるのはどんな精神状態でしょうか。身体が健康だと感じるとき、明るくものごとを考えられるとき、嬉しいことがあったとき、家族や友人が周りにいるとき、目標を達成したときなど。身体の健康は心の健康に大きな影響を与えることがわかります。いわゆる、体調がいいと心まで気持ちよく、思わしくないと心が沈んだ気持ちになりがちなことも、多くの方が経験されていることでしょう。
私たちは、心で希望を感じたときに心の健康を意識することが多いとも言えそうです。また、身体も心を映す鏡になることがあります。精神的な落ち込みで身体にも変調をきたすことがあるわけです。これに関連して、精神的ストレスが胃病変(胃潰瘍など)を引き起こすことは多くの人に知られていますが、人によって、それが心臓など循環器であったりするわけですが、こうしたストレスは身体の弱いところを襲うことが多いわけです。ですから、ストレスによって自分の身体を知ることもできます。
がんを誘発しやすい出来事について調査した結果があります。米国CDC(疾患予防センター)というところで、長年にわたってがんを発症した患者さんの、過去の生活環境を調査したコホート(疫学研究)です。その研究報告によると、もっともがんを誘発した過去の出来事、生活環境は「配偶者の死亡」(精神的ストレスといえるでしょう)でした。配偶者を亡くした人のがん発症率は、喫煙習慣者のそれよりもはるかに高い数値が報告されています。精神的ストレスは目に見えないストレスですから、周りでもなかなか気付けないことが多いのでしょう。そうしたストレス生活からなかなか脱出しにくく、気持ちが晴れないまま長年経過しがちなわけです。周囲の人のケア、働きかけが必要ですが、代表的な精神的ストレス病といっていいと思います。

このように、心の状態が身体の健康に影響をおよぼすことがあるわけです。私たちが日常、健康を考えるときは身体の健康状態を考えることが多いと思いますが、ぜひ、出来事を振り返って、心の状態についても考えてみてください。
また、身体の疲労を意識したときは、心の疲労もぜひ意識してみてください。心身相関こそ人間らしい証ですから、多くは身体だけではなく精神(心)が疲れたり、心だけではなく身体が疲れているのが普通です。それは普通のことで、何ら特別ではありません。考え過ぎないようにし、とにかくたっぷり休養をとるようにしたいものです。身体や心に疲労が蓄積したときは、何かと判断を間違えやすくなるものです。
道元が求め続けた平常心は、身心一如(心身一如)にありました。それが健康な人間であり、ウエルネスであることを忘れず、いつも希望に向かって生きていくことを心がけていたいものです。


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テーマ : 心、意識、魂、生命、人間の可能性
ジャンル : 心と身体

プロフィール

高原 裕一

Author:高原 裕一
Super Wellness Advisor 高原裕一です。私たちの健康は(遺伝子は別に)体にとりこむ「空気や水、食生活」で60%が決まります。そして「身体活動(運動)」の基本は歩くこと。あとは少しの「心を潤す時間(精神生活)」。ウエルネス-それは瑞々しい自分との出会いです。リコピンスペシャリスト&快眠アドバイザー 高原裕一のウエルネス応援エッセイ。

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