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睡眠とウエルネス(健康)

睡眠とウエルネス(健康)

Keywords:
体内時計(サーカディアンリズム),現代社会とストレス,心臓疾患,肥満,グレリン,レプチン,メラトニン


昼夜の区切りと現代の社会環境

現代社会は、エネルギーを24時間(一日中)利用できるため、昼夜の区切りが見えにくい社会になっています。本来、人間は「明るいときに活動し、暗くなったら眠る」 という人類史の延長線上にいます。アフリカ諸国などで、今でも昼夜による時間の区切りある一日を送っている国があります。
人類史からみると、エネルギーを24時間いつでも使え、昼夜の区切りなく活動できるというのは長い歴史ではありません。「昨日から」、そう表現してもいいほどの時間です。そういう意味で、私たちは昨日から大きく変わった社会環境に適応しながら、あるいは適応していくことを半ば強制され、現代という社会に生きているわけです。

私たちには「体内時計」があり、体は昼夜を区別し、私たちの意識と無関係に生体の恒常性を制御しています。これを「サーカディアン(概日)リズム」とよんでいます。日中は日中らしく、夜間は夜間らしく、生体の恒常性を守ろうとしているわけです。このことは、日中は体を動かし、夜間は休むという人類史からも導かれる人間の基本的な生体リズムなのです。
ですから、24時間活動する社会環境というのは、生体リズムからみると、不健康(病気)を誘発する可能性をはらんだ社会だともいえるわけです。昼夜の区切りは、生物としてのリズムに従った、健康のために必要な生活リズムだということをぜひ自覚したいものです。

睡眠とウエルネス

ウエルネス(健康)のために、毎日の睡眠の質を見直してみることをおすすめします。睡眠を含めて、自分のライフスタイルは自分自身で選択し、実践していくのが基本ですが、24時間活動する現代社会は、私たちのライフスタイルの選択にも大きな影響を与えています。
今、4人に1人は「眠れない」(不眠)ことを訴え、医療機関を受診したり、睡眠薬を服用しているそうです。また、数年前から、中枢神経系の薬が循環器系(高血圧・心臓病など)や呼吸器系(肺疾患、喘息、風邪など)の薬より多く医療の場で使われるようになっています。中枢神経系の薬の多くはストレス関連疾患の病気や不眠などの治療で使われています。ストレス関連疾患はこの現代社会で急速に増加し、現代病的な側面をもっていて、不眠の原因にもなっています。その大きな原因が、現代社会(IT社会)の精神的ストレスの蓄積、そしてストレスの無開放だといわれているのです。

ストレスの開放

ストレスは、ゴム鞠を押すと凹むように、「一時的」な外力によって凹んだ状態と表現されます。ストレスは誰にでもある日常で、普通の場面です。日常的な一場面だと考えるようにし、考え過ぎず、できるだけ早くその外力を開放してやることでストレスも解消されます。ですから、日常的にストレスを開放してやる生活習慣をもつことがいちばん大切です。
ストレスの開放は何ら特別なものである必要はなく、歩くこと、ウォーキングであれば、誰にでも、すぐにはじめることができます。ウォーキングがストレス解消に?と思うかもしれません。ところが、ウォーキングほど、誰にでもできるストレス解消法はないのです。

ストレスとウォーキング

まずは、自分が一日にどれだけ歩いているのか把握しましょう。10,000歩を超える人は少ないと思います。日常、すぐにエレベーターやエスカレーターに乗る、徒歩15分と聞けばバスやタクシーに乗る、歩き方が緩慢でダラダラしている、そういう人は歩きが足りない、一日3,000歩、4,000歩程度の人が多いと思います。「歩くこと」はウエルネス(健康)に必要な、基本的な身体活動です。この機会に、ぜひ毎日10,000歩を歩くことを意識しましょう。10,000歩を歩くと、慣れないうちは足や体があちこち痛くなります。しかし、その症状こそが運動不足の証拠ですから、それで歩くのをやめてしまうとウエルネスから遠ざかってしまいます。慣れれば、10,000歩(約8km2時間)などはアッという間なんです。日中に仕事で4km歩いている人は、帰宅してから4km歩けばいいのです。ウォーキングやジョギング、ランニングなど、自分のペースでいいので(これは競争ではありません)、うまく織り交ぜてぜひやってみてください。気持ちよい汗がにじんできます。

私が交流しているある大学教授は、特別な場合以外(年に10日もないそうです)、毎日帰宅後(出張のときでも)に10kmランニングすることは日常生活だそうです。スポーツジムでの筋力トレーニング(無酸素運動)より、有酸素運動であるウォーキングやランニングの方が基礎代謝を高めることもわかっています。何より費用がかかりません。誰にでも、今日からすぐにできます。ただ、排気ガスの多い(車の多い)通りはダメですので注意してください。二酸化炭素や二酸化硫黄などを多く吸気して、有酸素運動にならない
からです。いい環境でいい空気を吸いながらやりましょう。

睡眠と心臓疾患

睡眠時間はどれだけ(○時間)必要とか、決まった時間はありません。個人差が大きいためです。睡眠時間とウエルネスに関するコホート研究(疫学的研究)があります。それによると、ウエルネスな睡眠時間は最低でも5時間以上、長くても8時間程度までがもっともウエルネスに相関するとされます。4時間程度の睡眠時間や9時間以上の睡眠が続くと、かえって生体リズム(ホルモンなど)が変調するようです。
先ごろ、オランダ国立公衆衛生環境研究所は、十分な睡眠(7時間以上)が心臓病の罹患リスクを65%下げることを「ヨーロッパ予防心臓病学雑誌」に発表しました。研究の背景は、20歳の男性6,672人、女性7,967人の合計14,639人の12年間にわたる追跡調査です。これまで「食生活」・「運動」・「適度な飲酒」・「禁煙」の4つの生活習慣が心臓病の罹患リスクを12~43%下げるとされていました。十分な睡眠をとると、それが65%下げると報告されています。

睡眠と肥満

睡眠不足が肥満を促進することはご存知でしょうか。肥満になる人の食生活は、過剰カロリーと野菜不足がほぼ共通しています。この頃、糖尿病の血糖コントロールで推奨される「野菜を先に食べよう運動」が、肥満の解消、生活習慣病の予防でも大きく取り上げられています。また、バランスのとれたダイエットでもそれが大切です。
野菜を先に食べるのは、1)繊維質を多く含むため、お腹がふくれます。野菜を先に食べてお腹をふくらませよう(満腹にしてしまおう)という考え方ですね。2)繊維質は後から摂る炭水化物(糖質)や脂質の吸収を遅らせます。すぐに血糖値をあげないようにします。3)野菜はビタミン、ミネラルなどを含み、栄養代謝やエネルギー代謝の酵素の働きを促進します。
消化がいいもの(炭水化物や脂質)は量が少なくても高カロリーなのが特徴です。チョコレート、スイーツ、ハンバーガー、スナック菓子類などのジャンクフードは吸収されるのも早く、高カロリー、量は少なめです。そのため、満腹感を得ようと相当な高カロリーを摂取しているわけです。200円程度のチョコレート1パックでも600~700kcalあります。カロリーだけ高く、栄養は偏り、満腹感が少ないために過剰摂取してしまいがちです。
さらに、今度はそれを下剤的サプリメントや便秘薬で便通だけ治そうとする- そんなダイエットは本末転倒ですね。正しいダイエットは、食生活の改善(特に、野菜の大量摂取とジャンクフードのストップ)、それから運動(身体活動)です。それで便通は整い、しっかりダイエットはできるのです。
不眠が続くと、食欲中枢を刺激する「グレリン」というホルモンの分泌が活発になることがわかっています。一方、十分な睡眠は「レプチン」という食欲の抑制ホルモンを増加させることもわかっています。私たちが無意識でも、睡眠の質によってホルモンが食欲を制御しているんですね。ですから、不眠や睡眠不足が続くと肥満につながるのです。

メラトニンを分泌させる生活

サーカディアンリズムに関連して、メラトニンというホルモン(脳の松果体という器官から分泌される睡眠誘導ホルモン)は、光が減って暗くなると、体内時計でそれを感じて自然に分泌されます。このメラトニンが分泌されると私たちは眠くなるわけです。そして、この眠気は、生物として「夜なんだから休みなさい」と体内時計が指令を発していると考えることができます。
このとき、休まないで活動を続けているとさまざまな病気を誘発する原因にもなったりするわけです。たとえば、WHO(世界保健機関)のがん研究専門チームは、夜間勤務や交代勤務という職種群では、日中の勤務群よりがんの罹患率が高いことを報告しています。ここでも、メラトニンの分泌減少で、がんの罹患率が高まるという研究報告があります。
そうした意味で、昼夜の区切りのない現代社会は、生物としての体内時計を狂わす要因になる環境だともいえるわけです。私たちは現代社会のそうした環境に飲みこまれずに、昼夜の区切りある生活をおくることが、ウエルネスのために大切なことだといえるでしょう。そうした生活がもたらす睡眠は、質の高い睡眠になり、ウエルネスにつながる睡眠だといえるでしょう。


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テーマ : ダイエット・美容・健康
ジャンル : ヘルス・ダイエット

プロフィール

高原 裕一

Author:高原 裕一
Super Wellness Advisor 高原裕一です。私たちの健康は(遺伝子は別に)体にとりこむ「空気や水、食生活」で60%が決まります。そして「身体活動(運動)」の基本は歩くこと。あとは少しの「心を潤す時間(精神生活)」。ウエルネス-それは瑞々しい自分との出会いです。リコピンスペシャリスト&快眠アドバイザー 高原裕一のウエルネス応援エッセイ。

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