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予防医学とウエルネス ―「未病」を治す予防医学

予防医学とウエルネス -「未病」を治す予防医学

2011年、国が指定する4大疾患に精神疾患が加えられ、「がん・急性心筋梗塞・脳卒中・糖尿病・精神疾患」の5疾患が指定疾患とされました。新たに追加された精神疾患は、職場でのメンタルヘルスと認知症の増大という社会的背景が理由とされています。いずれも対策が急務で、罹患者が年々増加している疾患群です。私たちが自分のライフスタイルの見直しによって予防できる病気もあり、私たちは今、自分自身で病気を予防することを考える時代になっています。

東洋医学における「未病」

東洋医学は本来的に予防医学の視点をもつ医学であり、「未病」という独自の診断基準があります。東洋医学における「未病」の言葉が、今、西洋医学の場でも使われるようになっていますが、これは東洋医学独自の「個の医療」の言葉が、「オーダーメイド医療」あるいは「個別化医療」の言葉で西洋医学でも使われるようになったことと同様、大変興味深い現象です。

東洋医学の基礎は古代中国医学にあります。経験の積み重ねで発展した中国医学では、一人ひとりの、一つひとつの医療が異なることは当然の理(ことわり)です。中国医学には、「同病異治どうびょういち(同じ病気でも、治療が異なる)」「異病同治いびょうどうち(異なる病気でも、治療が同じ)」、さらに「身心一如」しんしんいちにょ(身と心は一体)という考え方もあり、これらは東洋医学の本質をあらわす考え方です。
現在、遺伝子医学(分子医学)として、個体差を治療に生かす遺伝子検査も進んできましたが、中国では2000年も前に、一人ひとりの異なる医療を当然として実践していたわけです。
中国医学は日本では漢方医学、韓国では韓医学として、それぞれ独自の発展を遂げてきましたが、いずれもその基礎は中国医学に連なり、西洋医学との対比から東洋医学とよばれます。東洋医学では、健康と病気を体の段階的(連続的)な状態と考えていて、西洋医学のように健康か病気のいずれかという二者択一では考えていません。

西洋医学と「心身二元論」(デカルト)

西洋でもヒポクラテスの時代(古代ギリシャ)は中国医学と同様の考え方でしたが、ギリシャ哲学者のデモクリトスという人が、「物をどんどん分割していくとそれ以上分割できない最終単位(原子)になり、宇宙、人間を含めた自然、森羅万象はこの最終単位である原子の離合集散である」と考える哲学(原子論哲学)を起こしました。この哲学は、その後プラトンやアリストテレスなどによっていったん排斥されましたが、1000年以上後の17世紀後半、「あらゆる自然界の存在を、物(原子)でできた精巧な機械とみなす自然哲学が再び支配的となり、この自然哲学はニュートンやガリレオ、デカルトなどへと受け継がれました。
今日、自然学=physicsは「物理学」、学問・知識=scienceは「自然科学」へ意味が変遷していますが、自然=物とみる自然哲学(自然科学)は、この17世紀後半~18世紀にほぼ確立したとされます。今日の近代医学(西洋医学)はこの自然哲学(自然科学)の一分野として、現在までめざましい発展を遂げています。
デカルトは「私は物(質)のことを自然とよぶ」といい、物(身体)と心(意味・価値)をきっぱりと分ける「身心二元論」を展開しています。

近代西洋医学は、この原子論哲学を母体に、人間を物(原子)へと還元し、個がもつ意味や価値を没化することによって発展した医学です。今日の西洋医学はこの自然哲学に立脚していますので、そうした意味で「未病」や「個の医療」、「個別化医療」という言葉が使われることは、きわめてエポックな出来事だともいえるのです。
原子論哲学を母体として発展した西洋医学は、すべて物(原子)に着目しますから、物が壊れたから修理(治療)する、物が壊れていないか調べる(検査)、物が使えなくなったから交換(移植)する、という考え方が基本になっています。物としての側面を対象としますので、非常にクリアとなり、この直截的な考え方によって医療が目的を果たす可能性を飛躍的に高めたのです。
病気の基準である検査値に異常がなければ病気ではないと判断するように、健康か病気か、二者択一の健康観を前提とした医学です。そのことが東洋医学の段階的健康観とは異なっています。


予防医学と未病

予防医学は、病気にならないライフスタイルや未然に病気を防ぐ方法を研究する医学です。私たち自身では、病気になりにくいライフスタイルを心がけることが予防医学(一次予防)になります。予防医学は、この病気にかかりにくいライフスタイル(生活習慣)をもつ一次予防、健康診断などの二次予防、病後の再発防止や回復促進(リハビリなど)などの三次予防があります。

さて、私たちは「病気」を自覚すると病院へ行きます。病院で医師にいろいろ尋ねられ、「疲れがぬけない日が続いていた」「体の冷えが続いていた」「睡眠不足や眠れない日が続いていた・・・」など、病気を自覚する以前、自分自身で気になっていた体の状態に気づくことがあると思います。
東洋医学では、本人が病気を自覚する以前のさまざまな体調の変化や症状から「病気ではないが、健康ともいえない」という体の状態を把握し、いわば「未病という病気」として診断することがあります。この「未病」の診断は、そうした体の状態を放置すると、近い将来、病気を発症する可能性が高く、病気の前段階にあることを診断しています。
「未病」を診断すると「病気が発症しないよう」に、養生(ようじょう)ともいうべき食生活をはじめとしたライフスタイルの見直しや、その改善を指導します。すなわち、この「未病」の診断は、病気を発症させないようなライフスタイルやウエルネスの取り組みが必要であるという、予防医学の診断だということです。。東洋医学には、西洋医学のような二者択一的な健康観はなく、体の状態を詳しく知るために「問診もんしん」をきわめて重視しています。これは体の状態が健康と病気のどの段階にあるのか、を正しく把握する-診断する-ためです。

これに対し、西洋医学での予防医学は、健康診断であらわれた検査値を基準にします。既にお話した通り、西洋医学には病気を診断する基準値(検査値)がありますから、病気なのかどうか、その基準値で診断できるわけです。ですから、自分自身は体の状態が気になっても、基準値に異常がなければ病気とは診断しません。また、検査値がその基準値に近い場合、予防医学の必要性を判断します。東洋医学のように、段階的な健康観は西洋医学にありませんので、西洋医学は必ずしも予防医学を得意としているわけではありません。

一次予防で「未病」を治す(ちす)

東洋医学は自覚症状から「未病」を考え、検査値も参考にしています。ですから、検査値に異常がなくても自覚症状を重視して、未病の診断をします。これは一次予防にあたります。
西洋医学は検査値の異常から「未病」を考え、自覚症状も参考にしています。ですから、自覚症状がなくても検査値の異常を非常に重視して、未病の診断をします。これは二次予防にあたります。
「未病」の考え方は、段階的な健康観をもつ東洋医学独自の概念でしたが、今、日本では西洋医学の場でも予防医学の視点で「未病」の概念を使うようになりました。このことは、予防医学をキーワードとする東西医学の融合だともいえ、患者の立場からは歓迎すべきことでしょう。また、世界最高の医学である日本ならでの医療、医学のエポックだといえます。

私たちは、自分自身ができること、病気の予防につながるウエルネスライフ(食生活や睡眠、運動習慣、禁煙などの改善や自己管理)を心がける(一次予防)がもっとも大切なことです。東洋医学が「未病」の診断で重視する自覚症状の変化に日頃から気を配り、そして、病気の前段階に多い、慢性腹痛や疲労蓄積、偏頭痛、不眠、冷え、精神不安などを感じたときはそうした状態を放置せず、ライフスタイルを改善したり、東洋医学の専門医に相談するようにしましょう。また、二次予防の検診で「未病」を診断された場合には、自覚症状の有無に関わらず、専門医に相談するようにしましょう。

ウエルインデックスでは健康アドバイザー制度を通じ、東洋医学と西洋医学の専門医をご紹介しています。専門医の紹介をご希望の方は、ウエルインデックスのホームページ(http://www.wellindex.co.jp)「健康アドバイザー制度」をご覧ください。

私たちは、病気になる前段階の「未病」を治す(ちす)、自覚症状を改善する予防医学
をいつも意識していたいものです。特に、40代以降は体のさまざの生理機能が低下し、病気が発症しやすくなります。これまでの食生活や運動、睡眠、休養などを見直して、積極的にウエルネスに取り組むようにしましょう。このウエルネスの取り組みとは、自分自身で「未病」に気づいたり、自分自身で「未病」を治す予防医学なのです。

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テーマ : 漢方・東洋医学
ジャンル : ヘルス・ダイエット

プロフィール

高原 裕一

Author:高原 裕一
Super Wellness Advisor 高原裕一です。私たちの健康は(遺伝子は別に)体にとりこむ「空気や水、食生活」で60%が決まります。そして「身体活動(運動)」の基本は歩くこと。あとは少しの「心を潤す時間(精神生活)」。ウエルネス-それは瑞々しい自分との出会いです。リコピンスペシャリスト&快眠アドバイザー 高原裕一のウエルネス応援エッセイ。

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