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第7栄養素 野菜のフィトケミカル

第7栄養素 フィトケミカル(天然化学成分)

Keywords;
フィトケミカル, カロテノイド, ポリフェノール, 抗酸化, 紫外線, トマト, リコピン


野菜のちからと栄養素

野菜や果実のちからを見直そうという運動があります。「健康日本21」や「健康寿命をのばそう!Smart Life Project」(いずれも厚生労働省)が代表ですが、民間団体にも、米国の「5 A Day」運動(一日5皿の野菜摂取を!)のような「5 A Day協会」があります。また今、医療の世界で、糖質と健康、病気について議論されています。
「糖質」は、穀類などの「炭水化物」のことです。栄養学では糖質というよび名が「炭水化物」に統一されましたが、糖質の方がわかりやすいかもしれません。ここでは「糖質」ですすめます。

糖質というくらいですから、体のなかで糖(ブドウ糖など)に分解される食品群です。私たちが毎日口にするごはんやパン、おいもなどは糖質の代表です。また、ニンジン、レンコンなど、野菜や果実にも糖質が含まれています。甘いお菓子やお砂糖だけではありませんね。
私たちが毎日食べる60%くらいが糖質です。脂質、たんぱく質、これが「3大栄養素」、ビタミン、ミネラルをあわせて「5大栄養素」とよびます。この頃はファイバー(繊維質)も糖質(炭水化物)に分類されたり、「第6栄養素」とよばれたりしています。


第7栄養素 フィトケミカル(天然化学成分)
さて、植物(野菜)のさまざまの色、匂いなどをつくりだす「フィトケミカル」(天然植物化学成分)「第7栄養素」ともよばれるようになってきました。これまで、ただ植物(野菜)の色や匂いをつくるだけと考えられていたのですが、近年の研究によって、それだけではなく、植物(野菜)自身で色や匂いをつくり、厳しい自然や害虫から自己を護り、順調に育って子孫を残すための防衛的な働きがあることがわかってきました。
「ポリフェノール」や「カロテノイド」という言葉をご存知かもしれません。代表的なフィトケミカルです。

先ごろ、安倍総理から発表された成長戦略に組み込まれた、野菜などの食品機能の表示に関する検討は、このフィトケミカルに関する議論が中心になるものと考えられています。私たちが食べる食品はなんといっても「栄養」第一ですが、近年の研究で、このフィトケミカルの機能成分が私たちの健康維持や予防医学にも役立つことがわかっています。ここでは、代表的なフィトケミカル、カロテノイドとポリフェノールについて考えたいと思います。

ほとんどの野菜には抗酸化力のあるフィトケミカルが多く含まれています。「酸化」というのはいわば酸素によってサビることですが、酸素を使って生命エネルギーをつくっている私たちは、生きている限りこれを避けることができません。エイジングや病気はこの酸化であるという医師もいますが、それだけ病気との関係があるわけです。
確かに、エイジングでは「酸化」と関係する病気が多いですね。循環器系(動脈硬化・高血圧)の病気や日焼け、皮膚がんなどが典型ですが、糖尿病や白内障、がん、アレルギーなど、酸化が強く関係しているとされます。この「酸化」とはいったいなんでしょうか。


酸化と還元、活性酸素


私たちは食べもので栄養を摂り、酸素を利用して生命エネルギーをつくります。体のなかで栄養素を分解し、代謝し、合成を繰り返していますが、この過程では酸化還元反応(レドックス)が起きています。私たちは、食べた栄養素を酸素で燃焼させ、エネルギーをつくります。この反応が酸化反応で、呼吸でとりこまれた酸素が使われています。ところが、私たちは無意識に必要以上の酸素をとりこみ、使われない酸素が余っていて、それが2%くらいだといわれます。この2%の使われない酸素は一部が活性酸素となって体を傷つけるようになります。活性酸素は、私たちが細菌やウイルスに感染したときは細菌などをやっつける働き(白血球)があり、悪いばかりではありません。しかし、自分の体を攻撃されるのは困ります。ですから、私たちの体は、活性酸素が増えるとそれを消すための酵素(SODやカタラーゼなど)がつくられていて、活性酸素を消しています。まるでイタチごっこのようですね。
ただ、活性酸素が3%だとすると、それを消す酵素が3%つくられれば消えますが、2%だと消えない1%の活性酸素は体を傷つけるようになります。エイジング(老化)の個人差は、活性酸素とその消去酵素の個人差として考えることもできるのかもしれんません。

この活性酸素は脂質や糖質が大好きです。血液中のコレステロールと結合しやすく、LDLと結合すると「酸化LDL」になります。この酸化されたLDLは動脈硬化を引き起こすアテロームをつくるようになります。また、たんぱく質と結合して糖化たんぱくをつくりやすく、糖尿病の人では活性酸素にも注意が必要でしょう。活性酸素は酸素の変形ですから、酸素を運ぶ血管系の病気に関わりやすいわけです。


最強の活性酸素、紫外線


近年、オゾン層(地上15キロから30キロ上空にある強い酸化物(O3)、成層圏)の破壊が問題になっています。オゾン層は、酸素が太陽の紫外線を吸収してつくられますが、猛毒で、このオゾン層で紫外線を吸収してくれないと、私たちは地上で生きていることもできません。地球の生命誕生は、オゾン層の成立後だそうですので。
紫外線はシミや皺はもちろん、皮膚がん、白内障などを誘発したり、促進することがわかっていて、波長の長さでUV-A、UV-B、UV-C に分類されています。いちばん毒性の高いUV-C はオゾン層でほとんど吸収されています。UV-B の一部が地上に降り注ぎ、日焼けやしみ、そばかす、さらに皮膚がんなどを誘発したりします。UV-A がいちばん多く、皺、たるみなどはこのUV-Aで誘発されます。

近年はオゾン層の破壊によってUV-B の降下線量が増加しています。そのため、女性だけではなく男性も紫外線から防衛する必要があります。皮膚がんも世界的に増加していることが報告されています。また、紫外線は可視光線ではありませんので、私たちには見ることができません。
紫外線の酸化力は強力ですから、夏休みの真っ黒大会などは今ご法度だと考えてください。それだけ、オゾン層の破壊、減少が進み、紫外線の降下線量が増加していますので、健康のために注意しましょう。


トマトのちから、リコピン(カロテノイド)


トマトは紫外線で酸化されないように自分を護り、ちゃんと育って子孫(種)を残すためにリコピン(カロテノイド系のフィトケミカル)をつくっています。そのリコピンがトマトの真っ赤な色です。リコピンがつくられないトマトもあり、そのトマトはずっと緑色のままです。そして、害虫にやられたり、いずれは枯れてしまします。熟さないということは生命を維持できない、子孫(種)を残すことができないということです。

リコピンは、トマトやスイカが生みだすカロテノイド系の色素で、私たちの日常食品に含まれるフィトケミカルではもっとも強い抗酸化力があると言われています。紫外線は私たちの皮膚組織を酸化させたり、コラーゲン組織を破壊して、しみ、そばかす、皺や、皮膚がんまで引き起こしたりしますが、「一重項酸素」という非常に強い活性酸素を誘発します。トマトはリコピンで紫外線でも酸化されずに育つわけです。もうひとつ代表的なフィトケミカルであるポリフェノール系は、残念ながら紫外線が誘発す活性酸素を消去するちからはあまりありません。ですから、紫外線による酸化を防御するためにはリコピンやルテイン、β‐カロテンなどのカロテノイド系のフィトケミカルを多く含んだ食品が効果的でしょう。

野菜がもつ抗酸化力ではビタミンCやEが有名です。ビタミンCは水溶性、ビタミンEは脂溶性ですが、このビタミンはお互いにちからをあわせてさまざまの活性酸素を消去します。ですからビタミンCとEは一緒に摂るようにしましょうといわれるわけです。トマトにはこのビタミンC、Eはもちろん、ビタミンB類、リコピン、βーカロテン、鉄分、カルシウム、マグネシウム、クエン酸やグルタミン酸など・・・実にバランスよく栄養素が含まれています。トマトは真夏の太陽の紫外線に負けないでこれだけの栄養を湛えるのですから、夏野菜のチャンピオンだといってもいいでしょう。


リコピンダイエット? でんぷんダイエット! 


「リコピンダイエット」を謳い、デキストリンや麦芽糖を主成分にしたサプリメントがあって驚いてしまいました。これは、いわば「でんぷんダイエット」「便秘解消サプリ」というところですね。イメージづくりにリコピンを配合し、リコピンの名前を商品に冠しているようです。夜寝る前に飲むと、翌朝便通があるのでしょう。それはトマト(リコピン)ではなく、でんぷんや下剤成分のちからなんですね。ただ、リコピンも配合されていますので、女性にはいいかもしれません。「でんぷん」を主成分にしたサプリを、リコピンが主成分かのようなイメージで販売するというのも困った問題です。
特に、ダイエットはただ痩せることではなく、ウエルネスをめざすことです。このサプリメントは下剤的成分を配合していますので便通を整えるかもしれません。しかし、ダイエットとしては、野菜(旬の野菜)をしっかり摂ること、それまでの「3倍」食べることをまず実践もらいたいと思います。ほとんどはそれで便通は整います。

ダイエットはウエルネスですので、まず野菜(旬の繊維質の多い野菜)を摂ることから第一にやるべきことです。野菜のちからは、食べた炭水化物や脂質などの代謝する酵素を助けるちからだということです。ですから、ダイエットだからと、便通だけ整えることだけ考えるのではなく、野菜をしっかり摂り、運動(しっかり歩くこと)を習慣にし、基礎代謝を上げる(脂肪を筋肉にする)ようにすることを考えてください。
食べた栄養素(脂質、炭水化物)は代謝されないまま脂肪になって蓄積され、それが肥満の原因になります。そのため、私はダイエットの相談では野菜摂取を強く推奨します。それがダイエットの正しい指導です。
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テーマ : ダイエット・美容・健康
ジャンル : ヘルス・ダイエット

プロフィール

高原 裕一

Author:高原 裕一
Super Wellness Advisor 高原裕一です。私たちの健康は(遺伝子は別に)体にとりこむ「空気や水、食生活」で60%が決まります。そして「身体活動(運動)」の基本は歩くこと。あとは少しの「心を潤す時間(精神生活)」。ウエルネス-それは瑞々しい自分との出会いです。リコピンスペシャリスト&快眠アドバイザー 高原裕一のウエルネス応援エッセイ。

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